関の細道・関辺登山口からの関山(せきさん)満願寺@関山への道A内松からの道

芭蕉と曽良は白河の古関の跡と思われる白河神社に参った後、旧鎌倉街道を辿って関山へと向かいます。関山を登った芭蕉は、石川街道か棚倉街道に出て、白河城下に入っていったのでしょう。奥州道中に出て白坂方向に戻り、白河城下の中町を訪ねます。中町から再度、奥州街道を経て、阿武隈川を渡り「女石」へと出ます。多くは推測で今では確たる足取りを確定する事が難しいようです。

「曽良旅日記の関山の項」

ソレヨリ(*白河の古関跡)戻リテ関山(せきさん)へ参詣。行基菩薩ノ開基。聖武天皇ノ御願寺、正観音ノ由。成就山満願寺ト云。旗ノ宿ヨリ峰迄一里半、麓ヨリ峰迄十八丁。山門有。本堂有。奥ニ弘法大師・行基菩薩堂有。山門ト本堂ノ間、別当ノ寺有。真言宗也。

本堂参詣ノ比、少雨降ル。暫時止。コレヨリ白河へ壱星半余。中町左五左衛門ヲ尋。大野半治ヘ案内シテ通ル。黒羽へ之小袖.羽織・状、左五左衛門方ニ預置。置。矢吹へ申ノ上剋ニ着、宿カル。

この段追加記録関山・満願寺での芭蕉について

2008年9月29日、白河の関を訪れて『白河』の由来といわれる『白川』とそれが合流する『社川(やしろがわ)』、東山道を歩いてみました。その折、旗宿から芭蕉が関山を目指したと思われる『内松』を訪ねてみました。それは東山道が通じているからです。

そこはやはり古い道と集落の様子が感じられました。曲がりくねった道を辿りながら関山の目印をたよりに進むと、『新奥の細道・関山登山口』の標識のある場所に出ました。確かに新しそうな道ですが、一登りかと思い頂上まで登ってみました。頂上の関山・満願寺に建つ石碑を見て驚きました。『芭蕉は関山に惹かれ、旗宿より北東三粁(キロ)にある、南麓の内松部落を抜けて、稲荷社と”せき山”と刻んだ石の古道標のある地点より登った』とあるのです。まさにこの登り口に稲荷社があるのです。C関の細道・芭蕉の道・旗宿から関山万願寺への道Aをご参照下さい。

もしそうだとすると、このページに書かれた関山北側の現在のメイン・ルート(都合三つのルートがあります)である関辺の物語は芭蕉との関連が無かった事になります。ただ、現在満願寺を訪れるには最も便利な道であるのは間違いありません。

詳しく調べたわけではありませんので一部間違っているかもしれないことをお断りいたしておきます。後日現地を調べてからページを改めて掲載いたしたいと思っています。以下の関山北側の『関辺』からの文章はそのような事を含んでご覧下さい。この段のみ2008.09.29

関山(せきさん)は白河城の東方、棚倉方面に向かう289号線の右側に見える標高618.5メートルの綺麗な姿の山です。頂上には730年(天平2年)行基が開山したしたと称される関山・満願寺がたっています。秀麗な姿の独立峰ですので頂上からは四方が見渡せます。頂上まで車で上がれそうですが小型の四厘駆動でないと難しいかもしれません。歩いて登っても40分ほどです。

関山登山口へ向かう途中は懐かしい感じの道が続く。

芭蕉は奥の細道でこの関山に登り満願寺に参拝しています。直ぐに人家が現れてきます。その家の竹やぶが日陰を造る(左の写真です)、往時もこうであったかと思わせる道が続きます。竹やぶが切れると関山登山口の石碑。ここを左折します。関辺という集落ですが、大きな立派な家が立ち並び豊かな村に見えます。

白河市内の多くの場所から遠望されるランド・マークの一つです。周りの里山の中でもひときわ目立つシャープな姿が特徴です。後方を山で守られた麓の集落は落ち着いた懐の深い印象を受けました。
この街道は棚倉を経て海へ抜ける重要な道路です。棚倉から水戸にも通じています。関山は国道289号を少し入ったところに入り口があります。白河市街から289号を10分も車で走ると標識があります。右折します。
 
289号線から山に向かって3分ほどで入り口の標識があります(左上の写真)。そこを右折。標識の周りは野草の原、チョウチョが止まっていました。田んぼの中を通る狭い道になります。

登山口への道端に長さ7〜8メートルのウメモドキの生垣がありました。生垣に使われたウメモドキを初めて見ました。透明な秋空から差す強い日差しに赤い実が、さらに赤味をまして輝いています。芭蕉の訪れた頃は今だやっと青葉と言う頃でしょう。

登山口からみた関山方向と関辺の集落。集落の前にはあいそ川の清流が流れています(上の写真の家の前を右から左へと)。

途中、不動明王の石像と湧き水があります。道は緩やかに上るだけです。快適な散歩道となるでしょう。

村を流れるあいそ川を渡ると狭い砂利の道となります。2〜3分(道路入り口の木の標識から7〜8分ほど)で左に駐車場が見えます(上↑の写真)。6〜7台ほどしか止められませんが平日でしたので誰も止まっていません。駐車場から頂上まで車道が続いているのですが、普通の車では苦しいかもしれません。4輪駆動車なら大丈夫だと思いますが、雨の時などは無理をしないほうが良いでしょう。
  頂上には鐘付き堂のある無人の満願寺があります。遠慮なく力一杯鐘を撞きました。ゴーンと言う音があたりの空にこだましたようです。     頂上からの見晴らしはすばらしいものです。芭蕉と曽良もこれから辿る奥州街道が見えた事でしょう。霞むほどの遠い北への道を思って不安と期待とが胸に去来したのでしょうか。 帰路、健脚コース(烏天狗コース)と言う看板に誘われて違う道を下ってみました。上り下りの有る山道です。ロープが沢山張られた急な下り道を十分堪能しましたが、余りお勧めは出来ません。たしかに看板の通り強い筋肉を要求されました。下りる途中小さな沢を渡ります。石の下に居る沢蟹を見つけて子供達は大喜びです。2007.10.24
10/19/2008           

9/19/2008

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