(殺生石から遊行柳へ)県道34号線を走っているつもりが途中から道を失ったようで、左に那珂川の支流余笹川が見えてきました。野焼きの煙が帯となってたなびき煙の中に赤い火が見えます。余笹川の直ぐ横を走るとすぐT字路のつきあたります。標識に従って左・白河に向かって余笹川をわたると奥州街道・国道294号線に出ます。
道は走りやすくなります。伊王野を過ぎて街路樹が柳になると目的の遊行柳はすぐ近くです。左側の道路わきに駐車場を備えた休憩所がありますのですぐ分かります。田圃の向こうに遊行柳が見えます。20年以上前に訪れたときの印象は、柳が極めて貧弱で一番奥の見事なイチョウの巨木が強く記憶に残っています。今はかなりきれいに整備されて、訪れる人が少なくない事が想像できます。
遊行柳の無料休憩所は月曜日が休み、がらがらの駐車場に車を止めて人影の無い遊行柳を訪ねてみる。冬の田圃の先に緑の塊が島のように突き出している。遊行柳は温泉(ゆぜん)神社・上の宮の境内の一部となっていると説明板に書かれてある。芭蕉の句碑は左の田圃側に傾いているように建っています。右には蕪村の句碑、沢山の石碑が立っている不思議な空間です。冬枯れの景色の中で、石の句碑の群れが、多くの歌人たちの思いの墳墓のように見えました。2008.3.2